心の変化と脳について思うこと
2013.08.31
カテゴリ:診療
心の変化と脳について思うこと
私が医師になった80年代、うつ病や統合失調症は内因性の疾患と呼ばれ、脳に検査で分かるような明かな異常は認められないものの、性格や環境だけで説明のつく病気ではないと考えられ原因不明とされていました。
一方、同じような症状が出るのだけれども明かな脳の変化が検査で証明できるものを器質性疾患と呼び、いわゆる「こころ」の変化を神経症などと呼んでいました。
しかし、特にこの10年におきまして脳地図(脳のある部分はOOに関連するという部位別の働きを示したもの)は詳細になり、脳の各部位間の連絡に関する研究がさらに進んでいます。先日、ある講演をする際に「こころ」の変化と脳に関してまとめてみました。
以前、神経症と呼ばれていた状態は脳の働きの変化によってかなりの説明が出来そうな状況です。ただし、人間の脳内の変化をリアルタイムで証明することは今でも難しい作業です。
あくまで推測ですが、脳は「自然にあたりまえ」と思っていたことがそうでなくなったとき、不自然な状態が生じ、その状態が続くと妙な「癖」がついてしまうようです。・・・つづく